この記事では、ラポール形成のためのスキルのうちでも奥が深い2つ。
「ペーシング」と「バックトラッキング」の二つについて、それぞれ初級者から上級者まで見れるように徹底解説していきます。
尚、今回紹介するのはあくまでこの二つだけなので、まだこちらの記事を読んでいない人はこちらを先に読む事をお勧めします。
この記事では「そもそもラポールとは?」や、「ラポールがあるのと無いのでは何が違うのか?」などの説明から、「ペーシング」と「バックトラッキング」以外のスキルも紹介しています。
ペーシング
ペーシングとは
ペーシングとは簡単に言うと、自分と相手の間に一体感を与え、相手が安心して話をすることができる様な環境作りを行うためのテクニックです。
仕事上様々な人に営業の話をする人が、自分が話す人全員に対して全く同じ様に話していてはいけないというのは何となく分かりますよね?
その人に合った話し方をする事で、話しやすい雰囲気を作ってあげる必要があります。
そこで活躍するこのペーシングは、相手の話し方と状態に自分のペースを合わせる手法です。
どういうことか。
相手に話し方を合わせたり、同じ言葉を使ったりします。
コツは5つ
1.スピード
ゆっくり話す人には、こちらもゆっくり話してあげます。逆も同じです。
こうする事で、自分の言葉が相手にきちんと入りやすくなります。
2.声の大小
声の小さい人に大きな声で話すと威圧的になってしまったり、逆に声の大きい人に対して小さい声で喋っていては消極的な印象を持たれてしまいます。
3.音程
声の高い人には高め、低めの声の人には低めのトーンで話します。
こうする事で、相手から自分の話していることが共感されやすくなります。
4.リズム
これは話すスピードではなく、間のとり方です。何か話したあとの間の取り方も合わせましょう。
5.口調
これは極端な例で言えば、赤ちゃんに赤ちゃん語で話すような感覚です。ここは雰囲気だけ、違和感ない程度に似せていきましょう。
上級編 +3つ
6.状態・テンション
興奮しているのか落ち着いているのか落ち込んでるのか楽しんでるのか。そこのトーンを合わせていきます。
7.信念・考え方
仕事とはこうだ、人生とはなんだ。それにできる限り共感できれば良いです。
相手が言っていることに反論しない程度に。
8.呼吸
肩とか腹部を見ると合わせやすいです。無意識的に相手が感じ取る部分。上級者向け
ここまで来るとまさしく、「阿吽の呼吸」というやつですね。
バックトラッキング
バックトラッキングとは
バックトラッキングとは簡単に言うとオウム返しの事で、相手に「この人は自分の話をしっかり興味を持って聞いてくれているんだ」と思わせるためのテクニックです。
親密になろうとしている相手に
この人自分の話ばっかりで私の話全然聞いてないな…
と思われてしまったらその時点で終わりです。
そこで活躍するバックトラッキングの例としては…
昨日彼氏とディズニーランドで初デートだったのー。楽しかったんだー。
へー、彼氏と初デートだったんですね!
この例では、相手の「彼氏と初デートだった」という事実を繰り返しています。
実はバックトラッキングにはもう一つメリットがあり、相手の言ったことを繰り返すことになるので、必然的に相手にyesを引き出させる事が出来ます。
これは心理学的にとても良い事です。
とは言え、流石に全部オウム返しではかなり気持ち悪がられます。
だったらオウムと話してた方がまだマシです。
レベルは5段階
事実をそのまま繰り返す
これは先ほど例で出したものです。
相手の「彼氏と初デートだった」という事実をそのまま繰り返しています。
感情を繰り返す
相手の感情を切り取ってそこを強調して返してあげます。
昨日彼氏とディズニーランドで初デートだったのー。楽しかったんだー。
へー、初デート?楽しかったんですね!いいなー。
という風に、相手の「楽しかった」という感情を強調して返してあげます。
ここから先は少しづつ難易度が上がります。
言い換える
昨日彼氏とディズニーランドで初デートだったのー。楽しかったんだー。
初々しい一日だったんですね。素敵ですね!
「初デート」を「初々しい一日」という風に言い換えています。
要約する
昨日彼氏とディズニーランドで初デートだったのー。楽しかったんだー。
ディズニーの初デートで楽しんできたんですね!
相手の言った事を短い文章でまとめて返してあげます。
信念レベルを繰り返す
これは今までの会話の内容も絡んできます。
昨日彼氏とディズニーランドで初デートだったのー。楽しかったんだー。
相手をお互いに思いやす恋愛がしたいって仰ってましたもんね。
こないだこんな風に言ってましたもんね、というニュアンス。
相手に与える効果
重要なのは、単に相手の言葉を繰り返すだけではなく、その言葉の意図まで解釈してそこを返してあげる事です。
こうする事で相手は、「自分の言ったことがきちんと伝わってるんだな」と思いやすいです。
簡単な言葉しか言ってないのに自分の考えてる事までちゃんと返してくれる、特にレベル5のような返しが出来る人。
そんな人にはなんでも話したくなってしまいますし、そういう人の方が相談しやすいです。
なのでまずはレベル1から順にやっていくといいでしょう。
この記事の中でも簡単なポイントは初心者でも簡単に実践に移せますが、レベルの高いものに関してはかなり上級者向けの技術になっています。
なので実際に使う時には順を追って、簡単な技術から使っていきましょう。
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